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ピアノはどこへ行ったでしょう

古い家を整理するために
故郷に帰っている80歳の母から
携帯にメールが来た。

       「お別れ!」

    貴女の思い出のピアノが身売りしたよ
    なんだか寂しいね

共稼ぎの両親が、3人の子どもを一生懸命育てた家。

夜明けに鳥がさえずり窓を開けると
川面がキラキラ輝いていたっけ。
汽笛が聞こえ夜汽車が通ると、
ガラス窓がガタガタ揺れたっけ。

陽のあたらない小さな庭に、実がならない橙が1本。
毎年、揚羽蝶がやってきて卵を産みつけてたっけ。

3人の子どもを東京に送り出し、
これからのんびり夫婦で過ごそうとしたときに父が亡くなり
孫娘の面倒を見るために母が上京して

そこから時間が止まってしまった家。
役割を終えて、あちこち朽ちるのを
待つだけになってしまった家。

     部屋が広くなって空き家になるかと思うと
         涙がポトリ・・・
     今トラックで行ってしまったよ

ピアノがやってきたのは私が小学1年生のとき。
増築してできた応接間にやってきた。
オルガンがピアノになって、お稽古の先生も変わった。

はっきり言って、ピアノの練習は嫌いだったなあ。
いつも直前にちょこっとさらって、
いつも先生に怒られてたなあ。
もう辞めたいと言っては、母にも怒られてた。
そんな、思い出。

     古いので買い取ってくれるところはなかったよ。
      どうせただならと、世界の国へ行く会社にしたよ。
      どこの国へ行くのでしょう。

私にとってピアノは、育った家の風景のひとつ。
勉強机や自転車や、文鳥や蜘蛛の巣や。
それぞれが私の生活に細かく織り込まれた模様。

母にとってピアノは、私への愛情のひとつ。
未来へつなぐたくさんの種を与えてくれた、そのひとつ。

      あなたの思い出の品がなくなりました
      シクシク・・・

さよなら。ピアノ。

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