杉の樹皮をリサイクルした土に植えたイモを掘る
矢祭の朝。カーテンを開けると、目の前に広がる田んぼの向こうを囲むように、山がとりまく。霧が田園を覆い、山の上には朝の太陽が、流れる霧に透かして丸く白い姿を浮かべている。この霧が、植物の生育に恵みをもたらしていることはまちがいない。
ユーパル矢祭は、町営の3階建て宿舎だが、高い建物がないため、窓からの眺めは3階とは思えないほど広い。シーズンオフのプールに、かるがもの親子が遊んでいる。
朝食を済ませたら、いよいよ芋ほりだ。畑に行く前に、宿のワゴンカーで、矢祭の産品開発で地域のリーダー役である高信さんが経営する株式会社辰巳屋さんの工場に立ち寄る。工場と言っても、広い土地に黒々とした土の山がいくつかあり、山の間に粉砕機や袋詰めの装置があるだけ。
高信さんは、最初は化学肥料を扱って農家に販売していたが、化学肥料に頼る農業がもたらす、健康と環境への影響に疑問を感じた。そこで、町の主要産業である杉の建材の廃棄物である樹皮に目をつけ、微生物の力で発酵させ堆肥を作ることに成功。
単なる土山に見えるものは、杉の皮を粉砕し、微生物で発酵させた堆肥の山で、それを使った実験的農業を行うのが、前日にトマトをたくさん食べた、農業法人甚右衛門の畑なのである。トマトはハウス栽培だが、さつまいもはもちろん地物。
さつまいも畑は、長さ100mくらいで8畝くらいあったでしょうか。幼児2名を含む俄かファーマー15名は、高信さんの指導の下、まずは芋のつるをよけながら、鼻息荒く芋ほり開始。杉の皮由来の土は、栄養豊かでほっこりとやわらかいので、軍手を嵌めた手で苗の根元を掘り返すと、赤々としてりっぱなお芋が、おもしろいほどに次々と姿を現した。
最初はキャアキャアワアワア、だじゃれを飛ばしあいながら勢いよく作業していたが、2時間も続けるとみな口数少なく、ペタンと地面に座り込むほどに。残念ながら時間切れで、畑の3分の1は残ってしまったが、それでもがんばって、100kgは収穫できたかな。
農作業のあとは、ミネラルたっぷりの野菜を生で食べることの重要性を、高信さんにミニ講演していただきながら、奥さんたち手作りの食事をいただく。新米のおむすびや野菜たっぷりの豚汁、なすの漬物、こんにゃくのおでん、トマトなどをおなかいっぱい。
再びユーパル矢祭に戻って温泉で泥を落としさっぱりしてから、宿の車で約1時間、新幹線の新白河駅へ。収穫したさつまいもは、矢祭町民小西さんからのごほうび?ダンボール1箱会社に送っていただくことに。会社のみんなにも、お土産ができた健康的な秋の出張でした。
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