« ぶなの森の宇宙に抱かれた夜 | トップページ | 会話の大切さ »

地域の人々に愛され育まれる地域資源活用

このたびの秋田の旅は、大きく分けて二つの見るべきものがありました。そのひとつは、劇団わらび座が展開する、地域密着型の複合事業の本拠地である「たざわこ芸術村」

東京で創立したわらび座が、民俗芸能の宝庫である秋田県仙北市に移り住んだのは、50年以上も前のこと。自給自足の個性的な芸能集団が静かな農村に住みついたのですから、当然ながら周囲の人たちは、白い目で遠巻きに眺めていたといいます。

しかし、人間の根源を見つめるわらび座の芸術的活動は、長い時間をかけることにより地域の人々に受け入れられ、劇場や温泉施設を創設するなど、だんだんと地域に根ざしていきました。そして1996年、芸術とリゾートを融合させたたざわこ芸術村が完成。

その後も「田沢湖ビール」を作ったり、化石館をオープンしたりと積極的に事業展開し、年間30万人を集める施設として、地域の観光や雇用創出に貢献。周辺の農家と協力し、農業体験や芝居のワークショップを組み合わせ、修学旅行生を受け入れるなど、社会貢献にも余念がありません。

また、1969年に創立した民俗芸術研究所では、伝承が危ぶまれる日本中の民謡や民俗芸能を調査研究し、膨大な量の録音・録画記録をデジタル化して保存しています。さらに、デジタルアートファクトリーでは、名人の踊りをセンサーを用いて3次元デジタル化、モーションキャプチャーを使ったCGで伝承を図っています。

日本中のあちこちで悲惨なことになっているハコモノとちがうところはなにか。

まず、ソフトが明確であること。わらび座の活動は全て、生活や労働の中で生まれた民俗芸能がコンテンツの中心です。ソフトの実現のためのハードが、芸術村という集積です。そして、地産の資源を最大限に活かしていること。食材、水、温泉、自然の景観など地域資源を大切に有効に活用し、調和して存在しています。

その結果、わらび座は第一義は地域の人々のものとして存在します。劇場ではロングランで、毎日ミュージカルを上演していますが、一番厳しい批評家は、地元の人たちなのだとわらび座の方は嬉しそうに言います。地元の人たちが満足できるものを提供できて初めて、遠くから足を運ぶひとたちをもリピーターにできるということですね。

« ぶなの森の宇宙に抱かれた夜 | トップページ | 会話の大切さ »

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ぶなの森の宇宙に抱かれた夜 | トップページ | 会話の大切さ »

Twitter

2013年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

MyFavorite 

  • やまぐちビジネスマッチングin東京ブログ
無料ブログはココログ