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映画「獄(ひとや)に咲く花」と小説「吉田松陰の恋」

享年数えの30歳で処刑されてこの世を去った吉田松陰先生は、没後180年たった現代でも、人々の志に影響を与え続け敬愛されています。そして、とても立派な先生として、老成した人物像としてその肖像画とともに私たちの記憶に焼き付けられています。

しかし、松陰先生とはいえ生身の人間。青年としての懊悩や心の揺らぎもあったのではないか。萩・野山獄の獄中で、女囚高須久子と交わした相聞歌から、松陰先生の最初で最後のプラトニックな初恋をイメージして書かれた小説が、直木賞の候補作品にもなった古川薫著「吉田松陰の恋」(文春文庫)。

それがこの度「獄(ひとや)に咲く花」として映画化され、4月10日より東京は有楽町スバル座にて上映されます。昨夜はその試写会に参上して、映画を鑑賞しました。

監督の石原興さんという方は、人気TV番組の必殺シリーズでカメラマンとして名を馳せた方だそうです。ほとんどのシーンが獄中という、ただでさえ暗い舞台に陰影をつけることで、登場人物のキャラクターを浮き上がらせ、心象風景に深みを与えます。

塀越しに見上げる樗(おうち)の花や、屋根の上から眺める日本海が、キラキラと輝く様は、暗い過酷な時代であっても、青春は一瞬一瞬にきらめくことを象徴しているように思います。

ただ淡々と、時代とともに過ぎてゆく悲しくも清らかな時が、久女の眼を通して描かれ、派手なストーリー展開はありません。どんな人間にも社会的存在価値があり、どんな行動にも社会的な意味がある、とやがては励まされる映画です。

なお、映画を観る前に原作を読むことを私はおススメします。映画は、安政元年に野山獄に投獄され、安政6年に江戸に送られるまでの、狭い獄中での話が中心ですので、歴史的背景を認識したうえで観た方が、より理解が深まると思います。

映画の舞台となった野山獄は、現在では萩市街地に石碑が残るのみです。子どものころからその存在を何気なく感じていた野山獄が、映画の中で再現されその姿を目の当たりにできたのは、私にとって感動でした。

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