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中国という巨大市場の行方について教えていただきました

昨夜は女性経営者が集まる勉強会に出席しました。講師は沈才彬(シン・サイヒン)氏。日本で500回くらい講演しているけれども、女性の会では初めて、という沈先生。中国でも「陰盛陽衰」、つまり女性が元気で男性は元気ないという言葉が流行、日本でも中国でも女性の存在感はますます高まっています、と会場を和ませて講演が始まりました。

天安門事件の起こった1989年に来日、三井物産戦略研究所中国経済センター長を経て、2年前より多摩大学経営情報学部教授、日本に永住している方です。勉強になったことを、ノートしておこうと思います。

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ベルリンの壁崩壊後、旧ソや東欧の共産主義国家が崩壊したのになぜ中国だけは台頭したのか。

それは、鄧小平氏が社会主義市場経済という当時非常識と思われた発想を政策に取り入れたから。中国が米国や日本ほか他国と摩擦を起こすのは、あまりに急ピッチで発展しすぎたために、お互いの心の準備ができていないからだ。

米国発金融危機から中国が一番先に脱却できたのはなぜか。

1)中国は共産党一党主義であるから、外部危機には強い。しかし裏を返せば、国内の政変には弱いという特質がある。

2)中国は海洋国家と大陸国家の二つの側面をもっているから。海洋国家は外需依存、大陸国家は内需依存。中国は内需が大きいのでダメージが小さかった。

3)中国はリーマンショックの翌日に、いち早く金融引締政策から緩和政策に転換した。これも、一党主義のなせるわざで、政府の決断や実行が速いのである。

中国のリスクは、国民の抑えていた不平不満の暴発。一党主義で政変に弱いから。国内の地域格差や、官僚の腐敗、民族紛争などの問題を抱えている。人民元は近い将来、5%前後の切上が行われるだろう。しかしそれは米国からの圧力に屈するわけではなく、インフレ対応という国内事情によるものだ。

今後10年間は、年平均7%の経済成長は続くだろう。短期的に観ると、不動産バブルの崩壊はあり得る。しかし物理的なニーズを考えると、中長期的には住宅の価格は上昇するはず。

国内事情により、経済の挫折は今後も起こりうる。しかしそれは一時的なものだろう。なぜならば、中国は工業化も都市化もまだ途中であり、膨大な中間層・富裕層が存在する限り、国内需要はまだまだ増加の一途であるからだ。

日本企業は、世界戦略の舵取りを米国中心から新興国中心に転換すべき時期に来ている。また、対中国については、世界の工場としての活用から、巨大市場としてのマーケット戦略に転換すべきである。

日本の経営者の中には、中国は恐い国、ルールがルーズな国、というイメージを持っている人もおおいかもしれない。しかし、中国市場は巨大であり、かつ成長を続ける。そして、グローバルスタンダードに向かっていることも必然。日本から見て、悪いほうには進んでいない。

中国は成長国家。日本は成熟国家。リスクが大きければ不安定だがパワーが大きい。リスクが小さければ安定しているがパワーは小さい。そのちがいだと考えて中国と付き合う必要がある。日本は今こそ、「親米睦中」を外交戦略にすべきである。

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沈先生は、とてもわかりやすく客観的で正確な言葉を用いたお話しぶりで、予定の時間は大幅に超えてどんな質問にも、実に丁寧に適確に答えてくださいました。その穏やかで誠実な姿勢が、私にとって感動的でとても勉強になりました。

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