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アブラクサスの祭

アブラクサスの祭」。現役の住職で芥川賞受賞作家である、玄侑宗久の同名の小説が原作の映画化。この作家の小説は読んだことなかったので、鬱でロックなお坊さんという設定を予告編で見たとき、てっきりコメディだと思ったんです。笑える映画を見よう、と思って入ったのですが、結構重いテーマの映画でした。

福島県の小さな町の禅寺の、通いの僧侶である浄念さんは、うつ病で入院したことがあり、今も薬が手放せない。地元の高校の進路指導講演会で大失敗、自分の役割が見つからずどんどん落ち込んでいく。自分の内面に深く対峙したときに、音楽への思いが断ち切れず、ライブをしようと行動を開始する・・・。

どこにでもありそうな田舎町の鬱的な要素のなかで、自分の存在をどう折り合わせて生きていくかを考えると、息苦しくなります。内面で身悶えする主人公浄念さんをスネオヘアーが熱演します。

またこの映画には、目も耳も弱くなった老いた犬南無(ナム)が登場します。浄念さんが、死に目に会えなかった父親の姿を重ね合わせ、思いを託す重要な役どころです。動物プロダクションにそんな犬を頼むわけにもいかないし、とスタッフが頭を悩ませていたとき、ロケ地で偶然にぴったりの飼い犬が見つかって、特別出演を依頼したのだそうです。その老犬が、なんともいえない救いを滲ませています。

決して明るくないストーリーですが、観終わった後はなぜか、すがすがしい気持ちになる映画でした。もう一回見ると、もっと深く感じることがあるかもしれません。

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