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わたしを離さないで

このブログをときどき読んでいただいてる方が、東京の大学に進学しているお嬢さんに薦められて、映画「わたしを離さないで」を観たけど心に残る映画だったよ、と教えて下さいました。早速カズオ・イシグロの原作も買って読んだ、と。離れて暮らす父と娘で映画や本の情報を交換するなんて、素敵な親子関係ですね。

私はこの映画はノーマークだったし、恥ずかしながらカズオ・イシグロも知りませんでしたので、新宿武蔵野館での上映最終日に慌てて観にいきました。

イギリスの美しい郊外の寄宿舎。キャシーとルース、トミーは、物心ついたときから思春期、青年期をともに育つ。友達とのいざこざ、恋心とさやあて。相反する想いに友情は翻弄されます。成長期特有の揺らぎですが、普通とは何かが違う。彼らには生まれたときから、残酷な運命が用意されているから。

若き主人公達、キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールドが、繊細で謎めいた役柄を演じ、幻想的な風景に美しく溶け込んでいます。とても哀しい物語で、もちろんフィクションですが、見終わった後でしみじみと、こういうことはあるのかもしれない、と考え込みました。

原作も読んだほうがいい、と複数の方からご示唆があったので、現在読書中。映画では間引かれてわからなかった部分を、少しずつ解読しています。

女神の美声に酔いしれた成城の夜

土曜日の夜、成城ホールにて、

第4回 成城響きあう街
ウクライナの歌姫 オクサーナ・ステパニュック
~祈りとともに、「愛」を歌う~

というコンサートが開催されました。成城うまれ成城育ちの友人が、街おこしで始めたイベントです。

オクサーナ・ステパニュックさんはウクライナの出身で、チェルノブイリ原発事故で汚染され危険地区に指定されたシニェワ村の出身です。出演が決まったのは2月でしたが、図らずもその後に起こった福島原発事故。オクサーナさんがどんなに胸を痛め、日本に心を寄り添おうとしているかが、ひしひしと伝わってきます。

一曲目はプログラムにはなかったが急遽加えたオープニングで、オクサーナさん自身が奏でる、民族楽器バンドゥーラの伴奏にのせて、カッシーニのアヴェ・マリア。哀しいほど美しい歌声と、民族の心を揺さぶるような楽器の音色に、震災直後の心境を思い出して、自然と涙がこぼれました。

プログラムは2部構成で、前半はウクライナの民族衣装を着た人形のようなオクサーナさんが、バンドゥーラを弾きながら、ウクライナに伝わる歌を弾き語りします。バンドゥーラという弦楽器は初めて見ましたが、弦の数が多く、とても難しそうな楽器でした。それを膝に乗せて弾きながら、高音域の歌を唄うのはとても複雑な行為に思え、目を瞠りました。

後半は、「私のお父様」など誰もが聴いたことのあるような親しみのある歌曲の数々で、来場者をとりこにしました。ゲストにテノール歌手ロベルト・ディ・カンディドも登場し、「誰も寝てはならぬ」を熱唱。二人で歌ったアンコールの「Time to Say Goodbye」は、時空の広がりを感じさせ圧巻です。

それで終わるかと思いきや、さらにオクサーナさんは「みんなで一緒にふるさとを歌いませんか」と会場に提案。マイクをもって客席の中にどんどん入っていきました。なんどもなんどもくりかえし、みんなで「ふるさと」の一番を歌ううちに、オクサーナさんを中心にして、会場がひとつになったのを感じました。

最後にオクサーナさんは、「私の歌を忘れないで。みなさんが辛いとき、悲しいとき、私の歌を思い出してください」と語りかけました。本当に心の暖かい方、感動し鳥肌がたった一夜でした。

会場を出ると、夏日でほてっていた街も夜風が心地よく、女神の美声に酔いしれた興奮覚めやらず。駅ビルのイタリアンで、ビールとマルゲリータでお喋りしてから帰宅しました。幸せな気持ちを与えてくれたオクサーナさんと、主催した友人に、心から感謝です。

母の道、娘の選択

八面六臂で活躍する料理研究家R子先生から、「みどりさんも絶対見てね、できればお嬢さんとね」と勧められていた映画が、ポレポレ東中野で上映されているので観に行きました。

ニューヨークでロイター記者として活躍する我謝京子さんの初監督作品、ドキュメンタリー映画「母の道、娘の選択」です。

この映画には、ニューヨークでキャリアアップに成功している日本女性が複数出てきます。皆、自立してバリバリと仕事し、素敵なインテリアに囲まれて暮らし、公私ともに充実しているように見えます。優秀な頭脳と並外れた行動力と不断の努力のどれが欠けても、得られなかったたものにちがいありません。

しかし意外なことに彼女らは、ニューヨークにいて誰に求められるわけでもないのに、自分達の中で一旦否定したはずの、日本女性としてのアイデンティティに気づき、囚われ、葛藤します。

そこには、母親と娘の関係性が強く影響していると、監督は示唆しています。母から娘へ、さらにその娘へ、の連鎖の中で、繰り返し引き継がれていくものと、ぶち壊して新たに生み出していくもの。私たちの今は、良くも悪くもその葛藤の積み重ねの上にあることを、もっと意識しなければならない、と言われているような気がします。

「母の道、娘の選択」はポレポレ東中野で27日(金)まで毎朝10:30~上映。学校や地域などで自主上映も可能なようです。特に、女子高生や女子大学生には、ぜひ見せたい作品です。

アンノウン

週末、観たい映画はいくつかあるのですが、時間が合わなかったり、満席だったり、近隣で上映してなかったり、となかなか思うようにいかず。

成り行きで観たのは、「アンノウン」。PRが地味だったのか、この映画に対してあまり認識がなかったのですが、芸達者な俳優陣の演技と、テンポの良い展開で、なかなかしっかりとした面白い映画でした。

バイオテクノロジーの学会に出席するために、妻を伴ってベルリンにやってきた植物学者のマーティンは、旅路でアタッシュケースを紛失し、妻をホテルに置いてタクシーで空港に引き返す途中に、交通事故に遭って意識を喪失する。

4日目に昏睡から目覚めてホテルに戻ると、学会のパーティには自分を名乗る別の人物が存在して、妻も自分のことを知らないという。自分は一体何者なのかとマーティンは混乱するが、見知らぬ男に命を狙われ、関わりをもった周囲の人物が次々に殺されていくうちに、その謎に迫っていく・・・。

記憶を喪失したタフガイが組織に命を狙われ、謎を追ううちに自分の思いがけない(忘れているから)真実につきあたるという筋立ては、ハリウッド映画にはよくあります。マット・デイモンのボーンシリーズなんかがその典型。米国人は根っから、組織に対する不信感があるのですかね。

話の筋とは関係ないのですが、日本人は組織に対する認識が甘いですよね。組織=人=性善説と言うか。もっと危機感と客観性をもたなきゃいけないな、と思いながら観たのでした。

キッズ・オールライト

今年はできるだけ、アカデミー賞候補作品を見ておこうと考えています。そもそもアカデミー賞というものが、どういう視点で選ばれているのかを、自分で感じてみたいと思ったからです。

GW中に観たのは、「キッズ・オールライト」。候補作品の中では、最もメッセージ性の高い作品ではなかろうか。家族ってなんだろう、愛ってなんだろう、と問う作品です。

主人公のレズビアン夫婦は、精子バンクを利用して、それぞれに同じ男性の子どもを生み、幸せな家庭を築いている。しかし子ども達も大きくなり、自分の父親である精子提供者に会ってみたいと思い始める。それが期待以上にいい男だったものだから、家族のバランスが崩れ始める。。。

家族構成が新しいところがさすが米国ですが、異質な家庭と思っていたら、とても普遍的なテーマに落とし込まれていきます。女性監督の作品だけあって、エッチなシーンもいやらしさはなく、リアルで客観的だけど優しい視線で人間を見つめています。話の展開も面白い。

上映している映画館が少なく、GW中もガラガラだったのは残念。アカデミー賞候補になるだけあって、とても良質な映画だと思いました。

熱海でバラと温泉

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今年のGW、寝込んだりして今ひとつ快適じゃなかったけど、一日だけ家族が揃う日があったので、84才の母も誘って熱海に日帰りで出かけました。

いつもながら行き当たりばったりなので、在来線に乗って向かったのですが、東海道線はラッシュ並み。タクシーの運転手さん曰く、昨年の同時期より客足がよかったようで、久々の人出と喜んでました。震災の影響で遠出は控え、近場の観光地が混んだのでしょうかね。

Dsc_0183 今回は、前から一度行ってみたかったアカオハーブ&ローズガーデンを目指しました。駅からバスで15分。錦ヶ浦に面する山の斜面をそのまま生かした、20万坪の庭園。入園料金は大人1000円(駅前で前売り券を購入すれば800円)です。入園すると、まず専用シャトルバスで園のてっべんまで運んでくれ、いろんなコンセプトのお庭を楽しみながら、歩いてゆるゆると下っていく、というしくみです。Dsc_0198

ハーブ&ローズガーデンというくらいですから、基本は洋風なのですが、てっぺんには日本らしく、曽我浅間神社があり、大山祗神(オオヤマヅミノカミ)と木花咲耶姫神(コノハナサクヤヒメノカミ)が祀ってあります。そして最初の庭は、日本庭園。世界最大の盆栽を中心とした枯山水と、一望に広がる相模湾の青の対比が見事です。

そこからさらに下に降りていくと、ローズハウス、シークレットガーデンなど様々な花が咲き乱れています。ウェディングガーデンでは結婚式もできるとのこと。薔薇のお庭のウェディングなんて、映画の中のワンシーンのようで素敵!生まれ変わったらここで挙式してみたい(笑)。

花の名前はよくわかりませんでしたが、モッコウバラ、チューリップなどいろんな可愛い花が咲き乱れて、母も携帯カメラでパシャパシャ撮影して楽しんでいました。天候は曇りでしたが、暑過ぎなくてちょうどよかったかも。

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1時間くらいかけて花を楽しんだら、もうひとつのお楽しみは立ち寄り温泉。飛び込みでKKRホテル熱海にしましたところ、改装されてきれいになったそうで、7階のお風呂は窓一面が相模湾!温泉にゆっくり浸かって、レストランで食事。料理長おまかせ御膳5000円を注文したところ、美味しい料理で満腹です。

日帰りとは思えない、濃密な一日。あとは各駅停車で、ぐっすり眠って帰りました。

とげぬき地蔵と小塚原回向院

日曜日に所用で巣鴨へ。相変わらずとげぬき地蔵の商店街は混んでいます。甘味屋が軒を連ね、名物塩豆大福があちこちで売られていて、元祖がならんでいますが、あまり味に差はないような。

お昼は五島うどんのお店「ここ・長崎」。カウンターだけの小さなお店で、飛魚(あご)でとっただしに、バラモンと呼ばれるさつま揚げなどがのっている、つるつるっとしたうどんが美味です。

お腹がいっぱいになったので、家族でお散歩。といっても、すごい風で雨も降りそうで、花を見に行くという気分にもなりません。そこで、庚申塚から気の向くまま、行き先も決めず都電に乗ってみることにしました。

ガタゴトのリズムがのんびりとして、座っていると眠くなってきたので、そのまま終点の三ノ輪へ。荒川区、と言うこと以外に何も知らないまま商店街を歩くと、昭和に迷い込んだような不思議なムードの町。

疲れたので目に付いた「月光」という喫茶店に入って休憩。朝ついたお餅と日本茶が売りのお店です。きなこもち、ごまもち、からみもちを分け合って食べました。あー、またまた食べ過ぎ。

店内においてあるタウンマップを見ていると、「小塚原刑場」という言葉になにか懐かしさが・・・ああそこは、松陰先生が果てたところではありませんか。いえ正確に言うと、処刑されたのは伝馬町で、幕府により埋葬されたのが、小塚原刑場の傍で刑死者を弔う回向院というお寺。

松陰先生のお墓は、高杉晋作ら門下生が後に、現在の世田谷の松陰神社の地に移しましたが、橋本佐内ら安政の大獄で処刑された志士たちの墓とともに、回向院にも墓石は残っているそう。そして回向院といえば、解体新書が生まれるきっかけとなった場所であることでも有名。

杉田玄白に縁のあるツレも、これは素通りはできぬとばかり、回向院と小塚原刑場跡に参りました。かつては荒んだ川原であったのでしょうが、今は線路と幹線道路と建物に囲まれ埋もれてしまい、当時を想像することはできません。

でも、GWに私たちはなんでわざわざここに来たのでしょう?なにか必然性があるんじゃないかな、と首を捻り胸に手を当てながら、不穏な天候の中を今度は日比谷線を経由して帰ったのでした。

八日目の蝉

角田光代の小説「八日目の蝉」が映画化されました。原作はリアリティーのある、かなり読みごたえのある小説。

面白い小説を映画の尺に押し込むと、間引きになって中身が浅くなる作品が多いから、あまり期待しないようにしようと思いつつ見ましたが、いやいや、とてもいい映画でした。

不倫相手の子供を誘拐して育てる母親役の永作博美と、小豆島で育てられる子役が熱演。偽りの親子か引き裂かれるシーンは、涙なしには見れません。永作博美さんっていい女優さんですね。

ところで、このストーリーの教訓は、娘たちよ、バカな男にひっかかるなよ(笑)。デートにはおすすめできません。特に不倫カップルには。

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