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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

おもしろい映画は数々あれど、みるべき映画というのは少ないと思いますが、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』は、そのひとつと言えると思います。とても悲しくて、観ていて辛い映画なんですが、とてもいい映画です。

9・11で愛する家族を突然に亡くす喪失感。そして、取り返しがつかない後悔の念。残された家族に残った心の傷は、いつどうやって、癒すことができるのか。3・11を体験した日本人には、深く共感することができる映画だと思います。

少年オスカーを演ずるトーマス・ホーンは、天才的で感受性の高い、うすいガラスのように繊細な少年を熱演。混乱する少年が投げ放つ言葉の刃を、悲しげな顔で受け留める母親役のサンドラ・ブロックも素敵です。一昨年アカデミー賞主演女優賞をとった「しあわせの隠れ場所」の自信に満ちた母親像より慈愛に満ちていて好き。

第84回アカデミー賞もいよいよ3日後に迫りました。この映画は、作品賞と助演男優賞にノミネート。全部見たわけではないのでなんともいえませんが、いまのところ私だったらこの作品を選ぶなぁ。

楽しい映画ではないけれど、ほんと、ぜひ観てほしい映画です。

昼下がり、ローマの恋

面白そうな映画が続々登場してますね。アカデミー賞発表のこの時期が、1年で一番映画が充実している時期かも。そんな中、12本目は銀座で『昼下がり、ローマの恋』事前にマークしてなかったんですが、広告を見て面白そうなので見に行きました。

結果として大当たり。若者、中年、熟年がおりなす3編の恋愛オムニバス。オムニバスってのはそれぞれが短くて底が浅くなりがちなのであまり好きではないのですが、この3篇は魅力的なストーリーでした。

観客の平均年齢は高く、シングルの男女か、女性のグループがほとんどで、カップルは少なかった。ご夫婦でみてもいい映画ですし、年齢に関わらず男性には参考にして欲しい映画です。

ところで、イタリア映画を上映する劇場が少ないのは残念。日本人は食べ物にしろ文化にしろイタリアが大好きだから、もっとイタリア映画をとりあげればいいのにな。

人生はビギナーズ

11本目は『人生はビギナーズ』。妻に先立たれ癌で余命わずかな父親が、残された時間を自分に正直に生きるために、ゲイであることをカミングアウト。息子はその毅然とした生き方に当惑しつつも多くのことを学び、自分の生き方を見つめなおしていくという、アメリカらしい奥深さの映画です。

父親役のクリストファー・プラマーは「ドラゴン・タトゥの女」はじめ数多の映画に出演している80歳を越える大物俳優ですが、この作品ではとてもチャーミング。新聞で募集して見つけた若いゲイの恋人とのラブラブシーンも違和感なく、愛情溢れる男性を演じています。最年長でゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞、アカデミー賞もとるんじゃないでしょうか。

それに比べて、主演のユアン・マクレガーの役どころはちょっと退屈。優柔不断な役がはまり過ぎなんじゃないでしょうか。特筆すべきは父親の死後息子が引き取るワンちゃん。なんでも、シェルターにいたところをスタッフに引き取られたそうです。なんでもよくわかっている人間みたいに見えてきます。

キツツキと雨

先週末は相変わらず寒いでしたが、としまえんのマサラでカレーを食べてから、ユナイテッドシネマとしまえんで映画『キツツキと雨』を鑑賞。

山村で暮らす朴訥な木こり(役所広司)と、都会からロケにやってきた若くて頼りない映画監督(小栗旬)のふれあいを描きます。

木こりは妻を失って息子と二人暮らし。炊事洗濯を自分でこなし、仕事もきっちりこなして仲間との人間関係もいいけれど、定職につかない息子に業を煮やしています。

若い監督は稚拙で自分の考えをスタッフや俳優にちゃんと伝える自信がなく、できれば現場から逃げ出したいと思い、家業を継がず父親の期待を裏切ったと後ろめたく思っています。

老いを迎えつつある父親と成人した息子という、相反する立ち位置がクロスして図らずも縁を深めていくことで、二人の関わる世界がじんわりと化学変化を起こし、その結果彼らもじんわりと変化してゆきます。

映画の中の映画は、村人全員がソンビに扮するとか、大物俳優が痔で七転八倒するとか、ばかばかしさが軽妙で、力の抜き加減が絶妙。

豊かな森に抱かれて、自然の恵に感謝をしながら身の丈に生きていく、そんな生活に果てしない憧れを抱かせる癒し系映画です。

ペントハウス、ドラゴン・タトゥーの女

2011年8本目の映画は『ペントハウス』。ところどころ寝てしまいました、ごめんなさい。高層ビルのアクションもハラハラドキドキで、そつのない映画なんですが、ここのところ印象的な映画が多かったので、インパクトに欠けてるように思えました。せっかくのエディ・マーフィーをもっと活かせばいいのに。

そして9本目は楽しみにしていたあの世界的ベストセラー小説『ミレニアム』のハリウッド版映画化作品『ドラゴン・タトゥーの女』。一体どんなふうに映像化されるんだろうと想像がつきませんでしたが、かなり小説に忠実に再現しながらも、よりリスベットにフォーカスされていました。

社会にスポイルされ他人とコミュニケーションをとれない屈折したリスベットをルーニー・マーラが迫真の熱演。堂々アカデミー賞主演女優賞候補です。ミカエル役のダニエル・グレイグが霞んで見えました。

筋がわかっていても、スピーディーな展開にドキドキして面白かった。しかし、小説読んでないと、話の展開が唐突過ぎて理解できない、と言う声もありました。続編が恐いけど楽しみです。デヴィッド・フィンチャー監督。

今年見た映画(2012年ふりかえり第1回)

2012年は60本以上映画を観ようと決めて1ヶ月が過ぎました。現在7本。いいペースです。毎週1本ずつ観に行って、年末年始などまとまって休めるとき追加して観れば、60本はクリアできそう。

そして、きっと年末にふりかえるのですが、そのころには年始に見た映画なんてすっかり忘れてしまっていて悔しい。そこで年末に楽しくふりかえりができるように、これから1年間の折々に、その時点での序列をつけておけば、とツレの提案。新しい映画を観るたびに、序列の中に組み込んでいけばいいでしょう、と。

で、やってみました。この時点で既に、お正月に見た映画が思い出せなかったりして・・・。ブログから拾って、好きな順に並べてみます。・・・う~ん、みんないい映画だから難しいけれど。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

【2012年鑑賞映画お気に入りランキング】2012年2月6日現在

宇宙人ポール (サイモン・ペッグ&ニック・フロスト/米国・英国)
灼熱の魂 (ルブナ・アザバル/カナダ・フランス/2011年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品)
サラの鍵 (クリスティン・スコット・トーマス/フランス/第23回東京国際映画祭最優秀監督賞・観客賞)
J・エドガー (クリント・イーストウッド監督/レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ/米国)
Always 三丁目の夕日'64 (吉岡秀隆、堤真一、小雪/日本)
デビルズ・ダブル-ある影武者の物語- (ドミニク・クーパー・二役、リュディヴィーヌ・サニエ/ベルギー)
ロボジー (矢口史靖監督/五十嵐信次郎、吉高由里子/日本)

:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

・・・とまあ、無理やり順位をつけるとこんな感じですが、ツレは「えーっ!宇宙人ポールが1位なの!?ヘン・・・」とのたまふ。ヘンかもしれないけど、好きなんだもん、ポール。

ちなみにツレの1位は三丁目の夕日’64で、ロボジー、サラの鍵・・・最下位が宇宙人ポール、だそうです。あんまり趣味が合っていないことが判明しましたよ。

J ・ エドガー

今年7本目の映画はクリント・イーストウッド監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『J・エドガー』。

FBI 初代長官で、大頭領をも監視下におく絶対的な権力をもった、ジョン・エドガー・フーバーの生涯を描いた映画。

20代で組織の長に登り詰め、77歳で死ぬまで長官を務めたエドガーは、国家を守るという使命に人生を捧げた。そのモチベーションとなったのは、名誉欲や権力意識ではなく、エドガー自身の心のもっと深いところの、個人的な弱さとの対峙であったと監督は捉え、ディカプリオはその複雑な人間性を、激しく厳しく演じています。

主演のディカプリオ、彼を長年にわたり支えた副長官役のアーミー・ハマー、秘書役のナオミ・ワッツともに、老醜の熱演に本気度を感じます。

社会は組織で成り立っており、それを構成するのは詰まるところ、人間の意思がもたらす行動の結果に過ぎない。そして、絶対的な正義は存在しないと思うと恐ろしい。

予告編では想像できなかったストーリー展開で、全編緊張しながら観ました。後年このように描かれるとは、天国のエドガーは思いもよらなかったでしょう。

クリント・イーストウッド監督らしい、単なる伝記ではない、終わったあとも深く考えさせられる重みのある映画でした。





Always 三丁目の夕日`64

今年6本目の映画は『Always 三丁目の夕日`64』です。2D で観ました。

64年と言えば、東京オリンピックの年。開催地である東京は開発が進み、景気も人心も上向きに。本編も、燃えるような夕日は一日の終わりではなく、明日という未来の一歩へ続く希望を象徴しています。

シリーズ3作目の本編は、集団就職で上京して鈴木オートで住み込みで働いている六ちゃんの恋と、売れない小説家茶川さんの期待に沿って東大を目指すものの本当は作家になりたい養子の淳之助の苦悩がテーマ。

全編を通して軽快なコメデイで笑いが絶えず、一体どこか泣けるんだろうと訝しんでいたら、最後に一気にきました。こうなったらいいな、と思う観客の期待を裏切らず、やや強引に落とすべきところに落としてくれるので、胸を撫で下ろし安堵の涙を流すのです。

この映画は、昔を懐かしむというよりは、日本人が思う日本の強さを描いた理想郷みたいなものだと思います。だから、当時を知らない世代も知っている世代も、今の社会と比較して憧れを抱くのではないでしょうか。

寅さんや釣りバカに代わるシリーズ映画としてずっと続くといいなと思います。次作では、一平や淳之助は成人し、六ちゃんは赤ちゃんが生まれてるでしょうか。すでに親戚のような気持ちで想像してしまいます(笑)。



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