坂東札所巡り19~千葉県笠森

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GWの最終日に、5か月ぶりに坂東三十三ヶ所札所巡りへ。夏日でしたが、老母と二人で千葉へ。母は信心がないというかあまり神仏を信じていないので寺社仏閣への関心は薄いのですが、体力増強と説き伏せて自宅を10時過ぎにに出発。目指すは房総半島のど真ん中のあたり。

東京駅から総武線快速で千葉を経由し、内房線で五井駅まで。小湊鉄道に乗り換えて、房総半島を横断していきます。若い女性の車掌さんが車内アナウンスしながら、無人駅では改札も担当。2両編成の車窓からは見渡す限り田んぼが広がり、千葉は農業県であることを実感。Dsc_1312_2

Dsc_1313午後1時前に、上総牛久駅で下車。茂原駅行の路線バスの発車まで約30分、その間にわかめむすびに梅干しで腹ごしらえ。乗客は私たちのほかに、男性が二人。15分くらいで目的地の笠森というバス停に到着、全員がそこで降車しました。本数が少ないのもむべなるかな。

バス停を降りると、参道は目の前。笠森という名の通り、崖を切り通したような男坂を登ると、そこは大きな森の入り口。右手には、芭蕉の句碑~五月雨にこの笠森をさしもぐさ~江戸時代にタイムスリップ。坂の左手に根元に大きな穴の開いた楠。若い夫婦らしきカップルがその穴をくぐっています。「ほら、あんたもせっかくだからくぐっておいで」と母。「やぁね、あれは子授楠、今さらくぐってどうするの」と私。「そりゃ、授かったら大変だ」と大笑いする母・・・( ̄◆ ̄;)Dsc_1317

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Dsc_1328参道の行きつく先は、三十一番笠森寺。立派な二天門をくぐると、そこには安藤広重が描いた浮世絵の観音堂がそのままに存立。目の前にした人はみな思わず、おお~という声を挙げています。

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笠森寺は784年に最澄により開基、と伝えられている古刹。観音堂は、平安時代に後一条天皇の勅により建立されたとされ、日本にただ一つの「四方懸(しほうかけ)づくり」で、国指定重要文化財として保護されています。お堂を崖石の上に載せるようにして組まれた支柱を見る限り、地盤が固いのでしょうか。75段の急な階段を登ると、天然記念物笠森寺自然林を吹き渡る風がさわやかで、うぐいすの声が澄んだ空気に響き渡ります。細胞の隅々まで洗われるようです。

観音様を拝んでご朱印をいただくと、バスの時間があるので残念ながらのんびりはできません。これを逃すと3時間後。14時55分笠森発のバスに乗り、今度は茂原駅から外房線・京葉線経由で東京駅まで直通。ぐっすり眠って帰りました。あと四か所、なんとか今年中に達成したいものです。

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坂東札所巡り18~茨城県桜川

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もう1ヶ月半も前のことになりますが、久しぶりに札所に参りました。実に、震災後初めての巡礼です。その前は2月、茨城と千葉を併せて残すところ数箇所となったので、2011年中には回り終えるだろうとたかをくくっておりました。ところが3・11の大地震で、すっかり足留。

しかし今年は85歳の母が災厄の多い年で、春には大怪我をして入院。夏には心臓が弱って息も絶え絶えになりましたが、秋にペースメーカーを入れて元気な母に戻りました。震災ではあんなにたくさんの人々が亡くなっているというのに、なんて恵まれたことでしょう。そこで感謝の気持ちを込めて、母とツレと3人で、観音様に参ることにしたのです。

目指すは二十四番楽法寺、安産で名高い雨引観音。湘南新宿ラインで小山まで行き、水戸線に乗り換えて最寄の岩瀬駅下車。東京から埼玉県、栃木県を通って茨城県入りです。雨引観音は駅から遠いので、今回ばかりは岩瀬駅からタクシーを利用。帰りの足が不安だったので、タクシーを寺の入り口で待たせて早速お参り。

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楽法寺は縁起によると、587年用明天皇の時代に創立という大変な古刹で、推古天皇の病気平癒祈願、光明皇后の安産祈願で霊験あらたかであったと言われているそうです。また、嵯峨天皇の御代には大干ばつに見舞われたため、天皇自ら写経して雨を乞うと降雨したことから、雨引山と名づけられたのだそうです。

雨引観音は想像した以上に立派なお寺で、参詣した日はちょうど七五三で賑わっていました。きっとお母さんのお腹にいたときにも、安産祈願でお参りした子ども達でしょう。最近は子どもの姿を見ることが少ないので、とても生気に満ちて華やいだ心持になりました。

お参りが終わって帰りには、せっかくなので水戸に足を伸ばし、偕楽園に立ち寄りました。この季節の偕楽園はあまり見るものはありません。そのうえ、好文亭など被災してまだ修復中の箇所も少なからずあり、あらためて3・11の爪あとに複雑な思い。年が明けて梅まつりのころには、修復が終わるとのことでした。Dsc_0876

坂東札所は、2012年に持ち越して、あと5箇所となりました。春になって暖かくなったら、難所の八溝山にも登るつもりです。さらに厳しい年となりそうですが、そんなときこそ心を平らかにして、平和な世を祈りたいものです。

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坂東札所巡り17〜千葉県木更津

ツレが海外出張のため、成田空港に見送りに行きました。娘は友達と昨日から旅行に出かけており、帰るのは夜遅く。ぽっかり空いた自分だけの時間を何に使おう。そうだ、せっかく千葉県にいるのだから、ついでにしばらくご無沙汰の坂東札所巡りに足を伸ばすことにしました。

成田空港から総武線で千葉駅へ。内房線に乗り換えて、木更津駅下車。そこから路線バスに乗りますが、目当てのバスは一時間先。駅前のコーヒーショップでカフェラテとチェリーパイで時間を潰し、目的地である高倉観音下に着いたのは、日も暮れかけた4時半でした。

20110219_173800 20110219_174001_4 竹林の道を登っていくと、三十番高蔵寺。古くは580年頃に建立され、藤原鎌足の祖父が子授けの願をたてたところ、鎌足の母が授かった、といわれがある名刹です。

20110219_172117_2 本堂は珍しく高床式で、堂々とした佇まい。境内には、大きな杉の木や、槙、栂などたくさんの樹木が植わって、生命の力強さに満ちていました。

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納経が終わったら、バスの時間の都合から、ひとつ手前のかずさアークまで歩きましたが、方向音痴のため遠まわり。DNA研究所を中心に、コンベンションホールやホテル、インキュベーション施設など、先端科学技術の一大基地で、歩けども歩けども景色が替わらずあせりました。

木更津駅に戻ってからは、いろんな帰り方がありましたが、新宿駅までの高速バスを選択。スーパーで地物丼を買って車中で食べながら、アクアラインを越えました。道は空いてて80分で到着。今年最初の小さな旅でした。札所巡りはあと六ヶ所。

坂東巡礼その16~千葉県銚子

この週末も酷暑酷暑。でもtwitter見てると、友人たちはずいぶんアクティブに行動しています。負けてはならじと日曜日、坂東札所三十三ヶ所めぐりにでかけました。目指すは千葉県の銚子です。

中野で中央線快速に乗ったのは10時半。御茶ノ水で総武線、千葉で外房線に乗り換えて、銚子に到着したのは13:35。さらに銚子電鉄に乗って二駅、観音駅まで参ります。

201007251346000_4HPによると銚子電鉄は、漁師の足として明治42年に開業。千葉県の最東端である外川まで、6kmあまりを19分で走ります。何度も廃線の危機にさらされながら、地元やファンに支えられ存続。鉄道事業は年商の4分の1に過ぎず、大半はぬれ煎餅など食品製造販売に頼っているということですから、努力の程が感じられるというものです。

201007251352000_4 私が乗った車両は、桃太郎電鉄を描いたポップな外観に、子どものころ電車ごっこをしたのを思い出すような乗車券。犬吠岬に向かう若者や家族連れで、のどかな夏の風情です。鉄子ならずとも魂ゆさぶられます。銚子電鉄自慢のぬれ煎餅は、香ばしいお醤油の香りで、お年寄りや小さな子どもにもやさしい美味しさです。 

観音駅を降りると、二十七番円福寺へ。納経所のある寺院と本堂が離れていますので、順番は逆ですが、まず納経をすませて本堂へ。境内の建築物は、まだ新しくて朱も鮮やかですが、歴史は古いお寺です。

縁起によると、724年利根川河口の水中に光るものがあり、夢告を受けた二人の漁夫が網を投じたところ、十一面観音が出現。800年代に訪れた弘法大師が開眼し、千葉氏の流れを組む海上氏の庇護の下に発展。しかし惜しむらくは太平洋戦争の爆撃で建築物が全滅。戦後、仁王門や本堂が再建され、一昨年には五重塔も建築されました。本堂の前には大仏が、本堂の中では仏像や観音像が、参拝者を迎え入れてくれる明るいお寺です。

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201007251436000 さて、参拝が終わったら、遅まきながら楽しいランチタイム。地元の人に美味しいお魚食べられるところは、と尋ねると、銚子港に向かって歩いていくと川沿いの道にたくさんありますよーとのこと。途中で放し飼いの犬に2匹会いました。今どき大らか。魚市場の中も、お休みでのんびりしています。

201007251457000 201007251510000 美味しそうなお店がいくつかありましたが、その中の「常陸」へ。おそらくお昼ごろは満員だったでしょうが、すでに3時を過ぎて店内はゆったり。磯牡蠣や刺身の盛り合わせ、丼などを注文しました。牡蠣は身がぷっくらとしてミルキー。刺身はどれも美味でしたが、特に金目鯛が美味しかった。大満足の味に、思わず部活で同行できなかった娘に写真をメールして自慢しました。

漁港前では、おじさんが軽自動車を止めて何か露天販売していたので覗いてみると、しじみ売り。ザル1杯千円買うと、おまけにザル3杯くらい追加してくれます。はまぐりも同様。ここらでは有名なおじさんなのだそう。銚子に行くなら、これはおススメ。

帰りははまぐりとしじみに氷を入れて手提げ袋に入れ、銚子から成田線で成田まで行き、京成線に乗り換えて日暮里経由で3時間かけて帰りました。そして夕飯はもちろん、はまぐりの食べ放題。一人20個ずつ3人で食べて残りは冷凍。さすがにしじみまで食べる余裕はなく、半分ニンニク醤油に漬けて、やはり残りを小分けし冷凍。201007251959000

坂東札所巡りで海の幸を楽しめるのは、千葉県の数ヶ所のみです。古の人も、最後のほうでこうやって、魚や貝で舌鼓を打って、旅の疲れを癒したのでしょうか。この猛暑に札所めぐりするなんておバカね、と母には呆れられましたが、どうしてどうして苦あれば楽あり、楽しみも付いてくるのでした。

坂東巡礼その15~千葉県滑河と千葉市

201007041433000先週末の日曜日。日中はなんとかお天気もちそうだったので、思い切って坂東札所三十三ヶ所めぐりに出掛けました。夕方には雨との予報なので、近そうな二ヶ所に。

まずは東京駅から総武線快速エアポート成田まで 、眠くて眠くて、からだが斜めに傾きながらほとんど眠って行きました。成田線に乗り換え滑河駅で下車。見渡すかぎりの水田が広がっていて、千葉って農業県なんだと実感。

周囲は田んぼしかない、照り返しの強いアスファルトの道をてくてく。坂東を巡って何が辛いって、何もない舗装された道をひたすら歩くこと。太陽がじりじりと照り付けるのを感じて、慌てて首にタオルを巻き、20分くらい歩くと、二十八番札所龍正院に到着しました。

201007041445000_2201007041444000_2 このお寺は、838年慈覚大師によって開創と伝えられます。入り口には藁葺きの、堂々たる仁王門に、大きな注連縄がかかっています。この注連縄は、江戸時代の火災のとき、仁王尊が屋根の上から大きな扇で風であおいだお蔭で集落の人々は延焼を免れ、それ以来毎年お正月八日に集落の人々によって奉納されることになった、という由来があります。

境内はきれいに手入れされ、立派な観音堂を中心に、芭蕉が句に詠んだ夫婦松や、銅製の宝篋印塔など文化財が並んでいます。納経をお願いしている間、ご利益の飴を頂戴し、暑いですからゆっくり休んでいらっしゃいと親切にしていただきました。

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201007041645000 とはいえ、電車は1時間に1本しかありませんから、乗り損ねたら大変です。そそくさと滑河駅に戻り、再び成田線に乗って千葉駅へ。下車して気がついたんですが、稲毛とか津田沼には何度か来ていたけれど、千葉駅で降りたのは初めてでした。駅前が大都会なのにびっくり。そりゃそうですね、百万都市のメイン駅なんだもの。

すでに午後4時を回っていましたが、さすが千葉市の千葉寺。5分おきくらいに出ているバスで10分という、浅草寺に並ぶ足の便の良い都会の名刹です。市の中心部を抜け、静かな文教地区と住宅地区に、街並みになじむようにして山門が現れました。

二十九番札所千葉寺は、行基の開創と言われ、時の施政者の庇護の下に繁栄してきました。境内には樹齢1000年と言われる大銀杏があります。木の幹からたくさんの垂乳根(たらちね)状の柱が下がり、お乳の出が良くなるご利益があるとか。こんな街中で1000年も人々の営みをみてきたのかとじっと見つめていると、なにか語りだしてくれそう。千葉市民から長らく親しまれてきたであろうことが、十分にうかがえる佇まいのお寺です。

お参りして納経したら、もう5時。空がだんだん曇ってきて、今にも雨が降り出しそう。急いで電車に乗ると強い雨。しかし歩いているときは雨に降られず、帰ってからまた雨。これも観音様のご利益でしょうか。思いがけず梅雨の時期に2箇所も廻れて、充実した日曜となりました。残るはあと8ヶ所、今年で結願できそうな気がしてきました。

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坂東巡礼その14~茨城県土浦

201005161406000先週末も精力的に坂東巡礼。健保組合で貸与された万歩計をポケットに入れ、常磐線で土浦駅に到着したのは11時頃。駅前からバスでつくば方面に約20分。そこから約1時間、歩く人などいない車道をてくてくと歩くと、田んぼや果樹園の広がるのどかな風景。土浦市と合併する前は、新治村と呼ばれていたようです。

201005161326000おなかが空いたところで、お蕎麦屋さんを発見。常陸秋そば「大志庵」、そばなくなり次第(13時~14時くらい)店を閉めますと張り紙がしてあります。地元っぽい人が次々に入るし、これを逃すといつ食事にありつけるかわからないので思い切って入店。私はもりそば、ツレは天もりを注文。こしがあって、漬け汁もすっきりとした辛口、山菜の天ぷらはカリッと仕上げ。採れたてのほうれん草も100円でたくさん購入し、想像以上の味に大満足して、元気が出たところで再び歩け歩け。

途中で地図看板があったので眺めていたら、どこからかおばあさん登場。どこに行くのかとも聞かず「あと少し、あと少し」。なんだか励まされて、歩け歩け。するとようやく、石段が見えてきました。二十六番清瀧寺です。

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筑波山の神様のテリトリーともいえるこのお寺、607年に推古天皇の勅願により、聖徳太子の作った聖観音像が安置されたといわれています。また、728年に行基が開基ともいわれています。茨城の他の札所にも見られたように、栄枯盛衰で何度も消失し、現在の本堂は村人の努力により、昭和52年に再建されたそうです。しかし江戸時代の山門は、昭和の火事もまぬがれ、威風堂々としています。

般若心経を唱え、納経帳に朱印をいただいて、来た道を再びてくてく。行きは果てしなく感じましたが、帰りは様子がわかるので少し気が楽です。途中で、また別のおばあさんが突然登場。「どこから来たの」「若い人は歩いたほうがいいよ。」「私も若いときは日本中を歩いたよ。北海道は3回、九州は2回・・・」これを3回聞いて、さよならしました。

国道に出ると、JAの直売所「サンフレッシュ新治」を発見。きれいなふき、ごぼう、葉付き大根、こごみ、長ネギを購入、650円也。リュックに入れて、さらに歩け歩け。新治村のお家は、みんな大きい。りっぱな門構え、広い敷地に、母屋、離れ、倉庫などがゆったり建てられています。豊かなんだなあ。

再びバスで土浦の駅まで戻りますと、こちらは日曜だからかな、見事にシャッター通りでした。せっかくなので、霞ヶ浦を眺めて、わかさぎの甘露煮を購入。家に帰ったら、なんと3万歩を超えていました。新記録!太ももに筋肉がついた気がします。坂東巡礼、あと10箇所です。201005161738000

坂東巡礼その13~茨城県笠間

晴天続きのGW。札所巡りで遠出をしたのは4日です。前日の夜から家族にも早起き早起きと暗示をかけて、朝炊けるようにタケノコご飯をセットし、ウーロン茶を淹れて冷蔵庫に。朝早く、おにぎりとお茶をリュックに入れて、家族で日暮里から常磐線普通電車に乗りました。

目的地友部駅までは電車で約2時間。車窓から見える田園風景は、ちょうど田植えの季節。土浦までの田んぼは大体田植えが終了し、土浦以北はこれからのようです。友部駅に着くと、笠間市内を廻る観光循環バスに乗車。このバスの時間に合わせて電車に乗ったのです。乗り放題200円。

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さてまずは一目散に、二十三番札所観世音寺へ。日動美術館入り口で下車し、ゆるゆると坂を上ると、目の前に石段が現れます。息を切らしながら登ると、小さな境内の中。読経して拝礼の後、納経のために本堂に上がると、ご住職が井戸水で淹れたお茶をふるまってくださいました。

縁起によると、開祖は651年、狩人の粒浦氏が千手観音を安置したのがはじまり。鎌倉時代の初めまで霊場として栄えたが、1214年、のちの笠間氏が台頭して占有し寺を破壊。が、僧侶の亡霊に悩まされ観音堂を再建、笠間氏の繁栄とともにあったが、1590年笠間氏の滅亡により寺も衰退。

その後は住職の手により細々と守られてきたが、明治の廃仏毀釈に遭いあちこちに遷移。長い歴史の中で受難続きのご本尊も、現在はこの地でご住職に篤く祀られご安泰のよう。苦労が多くても地道に精進していればご利益は訪れる、そんな気持ちになれるお寺でした。

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観世音寺の境内からさらに登ると、こんもりお山の笠間つつじ公園につながります。今まさにつつじの季節、つつじまつりに大勢の人が訪れます。てっぺんからは、笠間の町が一望。先日登った筑波山も見えます。

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つつじ公園から降りたら、笠間の町をぶらぶら。日動美術館は時間の都合でスキップ。途中、造り酒屋の店先にタケノコが50円で売られているのを発見。敷地にニョキニョキ生えてきたのを朝掘ったのだそうです。買占めたいところですが重いので、大きいのを1本購入。力持ちの娘が持ってくれます。

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そして笠間と言えば、日本三大稲荷のひとつ、笠間稲荷神社があります。651年創建とされ、奈良時代の「常陸国風土記」には記述が見られると言われます。祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。堂々とした大きな神社で、狐の像がたくさん。大きな神様だから、お遣いもたくさんなのでしょうか。

稲荷の周りは、古い商家が並んでいます。門前には、造り酒屋である笹目宗兵衛商店の蔵を開放、ギャラリーや食事どころ、ショップとして活用されています。しぼりたてを生のままビンにつめた松緑ふなくちを購入。お昼は創業明治八年という老舗「狸庵つたや」でもりそば。すっきりした美味しさでした。

食事が済んだら循環バスで、笠間芸術の森公演へ。笠間焼のイベント「陶炎祭(ひまつり)」に行きました。これまた美術館を中心とした広々とした公園です。200を超える笠間焼の作家やお店が出展。飲食のコーナーもあります。夏のような天気と人々の発する熱気でもう、くらくら。生ビールと焼き鳥で元気をつけました。

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さてさて、日が暮れてきて、笠間の町とお別れの時間。ふたたび常磐線に乗って、山の端に沈む夕陽に日本の原風景を感じながら帰途につきました。札所巡りをしてなかったら、一生縁がなかったかもしれないと思うと、なんだか不思議な気分です。家族そろっての小旅行は楽しかった。まだまだ茨城の札所は続きます。

坂東巡礼その12~茨城県筑波

先週は金曜の夜中から土曜の朝にかけて、思いがけない4月の雪でしたが、日曜にはちゃんと春の陽射しが戻ってきました。お日さまのありがたさが身に沁みて、思わず家を飛び出しました。せっかくですから、坂東三十三ヶ所巡り、茨城県に突入することにしました。

茨城県の札所は6ヶ所ありますが、広い地域に点在しており、一番わかりやすそうな筑波から廻ることにしました。北千住からつくばエクスプレスの快速で終点つくばまで33分。つくば駅前から筑波山シャトルバスで約45分で、「筑波山神社入り口」に到着します。ここまでアクセスは実に快適。そこから鳥居をくぐって約15分くらい坂道を登っていくと、二十五番筑波山大御堂に到着します。

大御堂はこれまで歩いた古刹と比べると小さなお寺で、庭の池では筑波山名物ガマガエルがグワーグワーと鳴いてます。お寺の歴史を紐解くと、そもそもは782年に徳一上人が開祖した山岳信仰の筑波山神社と一体で、中禅寺知足院として栄えていましたが、明治の廃仏毀釈で打ち壊しの目に。昭和5年に再建しご本尊を安置するも昭和13年には山津波で埋没。昭和34年に漸く現在の大御堂の再建に着手し、昭和36年に完成という、苦難の歴史をもつお寺です。

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大御堂に参拝した後、すぐ近くの筑波山神社へ。本殿の屋根は大きな龍のようにうねり、大きな大きな金色の鈴が吊るされています。筑波山神社の神様は、筑波山の二峰、男体山におわしますイザナギノミコト、女体山におわしますイザナミノミコト。境内では「ガマの油売り」の口上保存会の人が、さあさあお立会い、と実演中でした。広々とした境内には、かつてそこに中禅寺があったことを思い起こさせる旧跡がありました。

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せっかくここまで来たので百名山のひとつ、筑波山にケーブルカーで登山。御幸ヶ原駅に到着すると、左手に男体山、右手に女体山の頂上が見えます。頂上まで歩いて15分というのでまず男体山に登ると、途中から岩がゴロゴロ、おまけに昨日の雪がまだ残っていてびちょびちょで、結構恐い。頂上には、祠があり、まさしくこれが山岳信仰の神様。足元が悪いので、女体山は登らず、かたくりの花を眺めて帰りました。

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百名山に数えられるだけあって、筑波山は高さはさほどではないけれども、眺めがよくパワーが感じられる山。東京都内でいえば、高尾山のような存在でしょうか。神社周辺は温泉街になっていますが、旅館もお土産屋さんも、ちょっと残念な感じ。地の利から言って、もっと人を集められる場所のような気がします。しかし、これ以上たくさん人が集まると、神様がおちおち休んでられないかもしれませんね。

坂東巡礼その11~栃木県日光

一昨年の夏より、坂東三十三ヶ所観音霊場めぐりをしています。その前は9日かけて、秩父三十四ヶ所を廻りました。心身ともにきつかった時期に、無心になって秩父の寺社を巡ることで、自分を空っぽにして見つめなおすことができました。やみつきになって坂東を廻り始めましたが、秩父に比べてエリアが広い。公共交通機関を使って日帰りで参ると、最近は一日に一ヶ所がやっとです。冬が終わったので、いよいよ先週末より再開いたしました。

今回向かうは、栃木県で一箇所残していた奥日光の中禅寺です。朝早く出発と思いましたが、いつものごとくぐずぐずし、おまけに目指した東武特急は満席で、東武日光駅にたどりついたのは結局12時半を廻っていました。駅前から湯元温泉行きの路線バスで約45分、雪の残るいろは坂を通って中禅寺湖入り口に到着しました。

春が来たとはいえ、日光はまだ道が空いており、湖畔の観光店もまだ寝ぼけまなこ。店先で日光彫のおじさんに、美味しいお店はと聞いても、ここは観光地だからねえ、そんなに格別美味しいものはないよ、とのお答え。おそばは?ときくと、あそことあそこはまあまあと、そんなに期待するなという口ぶり。背に腹は代えられず、となりの蕎麦屋でゆばそばを注文、期待しなかっただけにとても美味しく感じました。日光の人は朴訥。

さてそこから湖畔を約15分、陽射しはじりじりと暑いくらいです。門前町は、シーズンオフで閉めてるんだか、つぶれてしまったんだかわからないようなさびれた気配の中に、中禅寺の鳥居が現れました。坂東札所十八番、784年に勝道上人によって創建されたお寺、世界遺産に登録された輪王寺の別院です。中禅寺の堂からは、目の前に中禅寺湖、右手に男体山のシャープな威容、向こうに冠雪の山並。心が洗われるような眺めです。

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勝道上人は、男体山に極楽浄土があると考え、何度も挑戦しては挫折。16年かけて漸く登頂に成功し、山の入り口に建立したのが中禅寺です。そして、山頂から眺めて発見したのが、火山の噴火によって川がせき止められできた中禅寺湖でした。明治35年に大山津波が起こって寺社が流され、現在の地に再建。かつて中禅寺があった男体山登拝口には、現在は二荒山神社中宮祠があります。

中禅寺のご本尊は、立木観音。上人が湖上に船出したときに、千手観音が出現。根がついたままの桂の立木にその姿を彫ったと伝えられています。大山津波のときに湖に流されましたが、湖底から浮き上がり再建されたお寺に安置。胴体は高さ6mの一本の大桂、千手は寄木造という珍しい仏像。お顔はやや角ばった丸顔で、目の大きなチャーミングな観音様です。その周りを、源頼朝が寄進した四天王が力強く守っています。

納経をすませたら、もともとは中禅寺があったという、二荒山神社中宮祠にも参りました。日光山二荒山神社本社と同じく、男体山・女峰山・太郎山の三山を祭ります。境内には、男体山奥宮登拝口の山門があり、5月から10月の間だけ、登ることができるそうです。その時期には全国から多数の参拝者が集まるそうで、登ってみたい気もしますが、かつて山津波で寺社が流されたことを思うと、ちょっと恐い。山の霊気に、畏れを感じました。

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実はこのたび、生まれて初めて日光の地に足を踏み入れました。関東で日光に行ったことがないというと、びっくりされることが多いのですが、機会がなかったのです。もっと観光の手垢にまみれた所かと思ってましたが、思ったより素朴。お土産に、塩羊羹と生湯葉刺身を買って帰りました。時間が足りず、世界遺産を訪ねることはできませんでしたので、札所めぐりが終わったら、きちんと温泉付きで観光客をしたい。でもまだ2年はかかりそう。次回からはいよいよ茨城県です。

坂東巡礼その10~栃木県大谷

坂東札所めぐり 栃木県大谷
宇都宮駅から関東バスで約30分、大谷観音で下車すると大谷石の巨大な壁が見えて、十九番大谷寺があります。

200909191340000 洞窟の懐に抱かれるような本堂に入ると、御本尊である千手観音の磨崖仏が眼前に現われます。札所を廻っていると秘仏が多いので、2mくらいの至近でお姿を目のあたりにすると感動します。

810年、弘法太師の作と言われます。かつては金色に輝いていたようですが、江戸時代に火事で焼け、岩肌の部分が現われたそうです。御本尊のほかに、阿弥陀仏など十体の磨崖仏が彫られています。

大谷寺の地下からは、縄文・弥生時代の土器や屈葬の人骨が出土、1万年の長きにわたり、人々の営みが行なわれた地域です。豊かな食物が約束された地なのでしょうか。

200909191407000 大谷寺の前には、昭和30年代に完成した大きな平和観音が遠くを眺め、屏風のような大谷石壁に囲まれた公園になっています。

バス停の前には、荒廃した採石塲の建物の不気味な姿。地元の人も気味が悪いのではないかしら。写真を撮ろうかと思いましたが、歓迎しないものが写ってたらいやだからやめました。

宇都宮の駅前で餃子と生ビールで一休み、湘南新宿ラインで帰りました。

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